紫電改(紫電改のタカ 滝兵曹長機)
アオシマ 1/72

 
機首周りが少々イメージと違う感じ 設定には無いですがパーソナルマークを追加

  

<コメント> 

  昭和30年代末から40年代に掛けては、戦記マンガが大ブームでした。各漫画誌は競って戦記マンガを掲載していたのですが、
 私が戦記マンガを読み始めたのは40年代後半。雑誌掲載をリアルタイムで読むことは出来ず、もっぱらコミック版を借りるか
 買うかして読み漁ったものです。今でも、貝塚ひろし氏の「ゼロ戦レッド」「烈風」、園田光慶氏の「あかつき戦闘隊」など、パッと
 思い出せるのですが、不思議とこの「紫電改のタカ」は断片的にしか覚えていません。他の戦記マンガを傾向が違うので少し
 敬遠していたのと、リアルタイムで読める松本御大の戦場マンガシリーズに夢中になってしまったのが、多分原因でしょう。
 それでも、この黒い紫電改の登場シーンは、当時の愛読書だった「大空のサムライ」の主人公である坂井氏が登場することも
 あって、しっかり覚えています。

 最近ではWW2物の戦記マンガには殆どお目にかからなくなりましたが(例外は源文氏とこ滝沢氏くらいかな?)、当時の感動を
 今も覚えている人は、結構多いのではないでしょうか。

<キットについて>

  アオシマが一時の気まぐれ?で出した大戦機シリーズの一つです。これと紫電、Ta152Hで結局終わってしまったのが残念です。
 キットの出来ですが、比較対象となるハセガワ1/72が古いのもあり、1/72ではベストキットかと思います。個人的には、機首周りの
 形状が紫電ぽく感じて、ちょっと残念です。それ以外は、形状・モールドとも1/72としては十分以上でしょう。
 組立に際しては、肉が薄めなのが災いして胴体左右の合わせが今一つ。上面側を優先して合わせて、下面は黒い瞬着を盛って
 整形してやりました。主翼上下は前縁側で多少ヤスる必要がありますが、主翼と胴体は綺麗に合ってくれます。
  キャノピーは、合いは悪くないのですが、位置決めが無いので、接着する際には少々注意が必要。主脚柱もダボ穴が緩く、角度が
 決まらないので、高粘度の接着剤を使ってやる方が良いです。プロペラも、そのまま取り付けると前に出過ぎとなるので、エンジン側
 から出ているプロペラ軸を1mmほどカットしました。詰めが甘いところが散見されるのが、アオシマらしいと言えばらしいですが。
  ちなみに、アンテナ支柱は例によって折って飛ばしてしまったので、0.8mmの真鍮線を植えて代用しています。プラの材質がかなり
 柔らかく、プラパーツではアンテナ線を張るのが少々不安だったので、その意味では金属に代えて安心出来ました。 尤も、肝心の
 アンテナ線張りで、横着して瞬着を容器から直接塗ろうとして出し過ぎてしまい、かなり汚い仕上がりになってしまいましたが。
 今回、キャンピーのマスキングに、ハセガワのオレンジ色のマスキングゾルを使用しました。メーカーの宣伝文句通り、なかなか
 使い勝手を良いのですが、これ塗膜を侵す傾向が有るようです。キャノピー以外には使用しないのが無難かと。

  デカールは、「紫電改のタカ」バージョン共用のもので、紫電用のデカールも入っています。黒い紫電改は基本的にインシグニア
 のみですが、勿体無いので尾翼のパーソナルマーク(小の方)も使わせてもらいました。
 デカール本体は薄くてニスも少なく糊もそこそこ強いもの。かなり柔らかく、マークソフターに対してもやや敏感でした。デカール
 フィットに含まれている程度でも反応しますので、強いソフターを使うのは危険だと思います。尚、クリア耐性は良好でした。

  塗装は黒一色。先に識別帯の黄橙色を吹いてマスキングしてから、気に入っているガイアのリアルブラックを吹き、デカールを
 貼ってからモデラーズのツヤ消しクリアを吹いています。このツヤ消しクリア、白くならずにツヤが適度に消えるので気に入っている
 のですが、そろそろストックが無くなるので、代わりを探さなくちゃなりません。同じ様な白くならないツヤ消しクリアってないですかねぇ。
 「完璧に整備された」機体なので、その表現として脚収容口や脚カバー裏には青竹色を吹いています。
 スミ入れは、機体が黒なのでレッドブラウンで行い、いつもよりは丁寧に拭きとっています。
(実作業時間15時間)

  今回の教訓:瞬着を塗る際は、爪楊枝等を使って必要最小限の量で塗ること

05.JUN.11

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